2012年2月26日日曜日

「書評」「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート

抱腹というからには腹を抱えるほど可笑しいということでしょうが、あまりそのような描写はなく。

ゲイシャ、スキヤキではない日本の日本らしいところ、がたくさん書かれていて面白いです。2人で電車に乗って1人分の席が開くと必ず譲り合って、で、座った方は立ってる人に荷物持とうか?とか聞くとか。あるある。

この本の中にとても素敵なネジ屋のオジさんのお話が出てきます。私は気に入らないことがあると、「この排泄物め、お亡くなりになりやがれ」(参照)という意味のことをもう少し汚い表現で思ってしまうのですが、このエピソードを読むと心が穏やかになる気がします。どんな内容かは拙文では伝えることができませんので、ぜひ本を読んで欲しいと思います。

少しコリンさんの言葉を引用します。

さらに重要なのはマナーのよさには「伝染性」があることだ。人は礼儀正しい振舞いに接するたびに、自分も同じ水準の礼儀をもって振舞おうと心がけるだろう。もちろん、その逆もありうる。今日、イギリスの都市ではまさにその悪循環が生じていて、下品なマナーと悪い言葉が当たり前になりつつあるようだ。もちろん、これは具体的な数値で示せるようなものではない。しかし、イギリスとくらべると日本では人々が総じてマナーがよいことに感銘を受けるのは、決して僕ひとりではないだろう。そして、よいマナーの人たちの間で暮らすのと、悪いマナーの人たちの間で暮らすのとでは、生活の質に大きな違いが生じてくるのだ。

毎日、少しだけ「よいマナー」について考えています。私は被災地の方に100億円送ることはできませんが、電車で優先座席に座らずにいることはできます。

ネガティブなこと(アレとかコレのことですね)にエネルギーを使っているより、「よりよく生きる」ことにエネルギーを使った方がいいです。そうすれば国籍にかかわらず、我々は尊敬を受けるはずです。

「今日の教訓」
イギリスへのお土産はスルメがよい。

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